本日は、不動産登記に関わるお話を一つしてみたいと思います。
みなさんは、登記識別情報通知という書類をご存知でしょうか?不動産を購入されたことのある方ならご存知かもしれません。
一般的には、権利証と呼ばれている書類になりますが、不動産登記法が改正されたことに伴い、これまでの書面による登記申請から、オンラインによる登記申請に対応するため、12桁の英数字がランダムに印字された一種のパスワードにシールを貼って登記名義人に交付することにより、それを知っている申請人は、登記名義人に間違いないと一応考えることによって、成りすましによる虚偽の登記を防止する制度に移行されました。
このシールは、一度剥がすと張りなおすことができない特殊なシールになっており、誰かに盗み見られた場合は、すぐに分かるようになっています。
しかし、このシールがなかなかの曲者で、爪やカッターなどを使って慎重に剥がそうと試みるのですが、シールが張られた時期、室温、湿度その他の保管状況によりシールがうまく剥がせないということが度々あります。
万一英数字が読み取り不可能となった場合には、原則として再発行することは出来ないようになっているため、特に当日中に登記申請をする必要がある決済の時には、法務局が開庁している時間内にうまくシールを剥がして入力しなければならないという大きなプレッシャーに晒されながら時間とのぎりぎりの戦いを迫られることもあります。
法務省では、登記識別情報の交付を受けた後、一度シールを剥がして封書に入れて保管することを推奨しているようですが、それでは、シールを剥がさないで保管するように説明している実務の実情とは異なりますし、それじゃあ、最初からシールなんか張るなと突っ込みを入れたくなってしまいます。
ハンカチ等の薄い布を敷いてアイロンを掛けてのりを柔らかくして剥がしやすくするという裏技を使っている司法書士もいるようですが(自分で試したことはないので自己責任でお願いします!)、事務所にアイロンを常備しておくのもシュールではあるけどなんだかなあ。。。という気がしてしまいます。
何とかならんもんかねえ、法務省さん?!
上記に対するコメント
横須賀事務所の山本です。
柳下さんへ
だいたい平成21年頃の登記識別情報通知がはがれにくいという話がありますが、アイロンでもはがれないものが存在するようです。
その場合法務局に言うとなんと登記識別情報を再発行してくれることがあります。
うちもつい最近再発行してもらった事例があります。
いくら折込み式に変わったといえど、シールの登記識別情報通知は残るので、今後もずっと付きまとう問題だと思います。
横須賀事務所の松田さんも泣きそうになりながらシールを削っていましたよ・・。